外出支援の輪を広げる

「移動サービス」をご存知でしょうか?高齢や障がいがあるために一人で出かけることが困難になった方の外出を「介助と運転」でお手伝いするサービスです。地域の福祉的なニーズに対応するのだから「福祉」ですが、車を使った「運送」に係るサービスは国土交通省の所管とされており、外出支援は福祉なのか交通なのか、長年制度の狭間を揺れ続け、外出支援施策は進みませんでした。

しかし、今、高齢者などの抱える買い物ニーズに、地域の力で応えようという動きが、あちらこちらで始まろうとしています。介護保険改正を受けて、地域での困りごとを住民主体で支えようという「生活支援体制整備事業」に伴う生活支援コーディネーターの配置や各地の協議体での議論が、高齢者の外出困難な実態を顕在化させ、また、2017年4月から施行された社会福祉法の改正で、社会福祉法人の地域貢献が義務付けされたことと相まって、デイサービスなどの送迎車が稼働していない時間帯に車を活用して、交通不便な地域と近隣の大型店舗を結ぶ買い物支援が動き出しています。

運転は地域のボランティア、そして、高齢者の見守りをする添乗者も必要とボランティアの輪が広がり、まさに、住民参加型のサービスが生まれつつあるのです。引きこもりがちだった高齢者が買い物に出かけ、顔見知りと会って会話が弾む。こんな人と人の交流こそ外出の目指すところであり、まさに、まちづくりです。

国交省は2017年「高齢者の移動手段の確保に関する検討会」の中間まとめで「福祉部局と交通部局の連携」を進めていくとし、長年の課題解決に向けて一歩踏み出しました。横浜市は新たな交通計画に「福祉有償運送を位置づける」と明言しています。

そして、広がりを見せつつある地域のたすけあい「買い物支援」も、高齢者の移動手段の確保の上で、また、社会参加のきっかけとしても重要な役割を担っていることを知らせていきたいと思っています。

NPO法人かながわ福祉移動サービスネットワーク理事長  清水弘子

(市民社会チャレンジ基金第6期助成団体)

http://www.kanagawa-ido.net/