子どもたちとともに時代に生き、時代に向き合う
~「水俣」に学ぶ活動をつづけて

今年2月、相模原市立南大野小5年生に19年連続19回目の「水俣」を伝える出前活動を行いました。自分の暮らしている街で、道ですれ違う子どもたちに、水俣病事件とその患者さんたちが教えてくれた「いのち」にまつわるとても大事なことを伝えたくて始めた出前活動は、多くの方に支えられ、子どもたちを導き手としてつづいています。

この20年間に<お母さんが伝える>が<お祖母さんが伝える>になってしまったのは当然ですが、3.11があり、津久井やまゆり園事件が身近で起こり、日本国憲法もこんなふうに揺らいでいるのを見ると時代の経過を感じます。活動を始めたとき、現在の社会状況を想像することはできませんでしたが、ひとつひとつ検証すれば、すべて必然ではないかとも考えるのです。やまゆり園事件のときには、いちはやく水俣の友人たちが気遣いの連絡をくれました。胎児性水俣病の彼らが涙ぐみながら福島ややまゆり園に言及するのを目撃するたび、私たちは「水俣」に何を見てきたのだろう、何を学んだのだろう、と思うのです。

この時代、この社会にあってこその出前活動です。「いのちの意味」「いのちの歴史」「事実を知り、学ぶ意味」、そして患者さんたちが教えてくれる「いのちの希望」。そう伝えるなかで、このごろは、とくに、事実を知ることの「重さ」を語るのに熱くなってしまいます。子どもたちとの応答のなかで「水俣」の学びが、いまを生き、未来をみつめる学びとの思いを深くしています。